好奇心で生きてる

短編や書きたいことをつらつらと。

2018-01-01から1年間の記事一覧

トンカツLOVERS【短編】

私の目の前にいる友人は、はっきり言って変わっている。 クラスに一人はいる、『虐められたりはしないけれど、どこか浮いてる人』。そんな感じ。 そんな友人と『友人』の関係になったのは、忘れもしない、半年前のあの日ーーー。 「は……。急に呼び出したと思…

言葉の消費期限【短編】

言葉が腐るのはいつからだろう。吐き出された瞬間に、もうその言葉は崩れ落ちて、なんの意味ももたなくなるのだろうか。 「ねえ、私のこと好き?」「好きだよ」 そんなやりとりを、私はなんど繰り返すのだろう。返ってくる言葉はスタンプのようにおんなじで、画…

カラフルノート。【詩】

赤いボールペンでハートを描く。その下に、私の名前とあなたの名前を書いてみる。「結構バランスいいいんじゃない?」とか思ったりして。 青いボールペンで家を描く。間取りまでしっかり描いて、こっちは私の部屋、そっちはあなたの部屋、あっちはリビング。二…

愛された日々は思い出の彼方【短編】

「愛しているんだ」あなたがそう、言うから。私は、「ありがとう、私もよ」と返して。ふたり、幸せになれると思っていた。 ねえ、あなた、私って結局、なんだったのかしら。長年あなたと連れ添った私は、目尻にシワもできたし、昔のように肌も髪もつややかではな…

ありふれた理由を重ねて【短編】

世界は愛で満ちている。世界はキラキラ輝いている。世界は楽しいことで溢れている。 どれもこれもが正解だ。どれもこれもが正しい。愛はそこらへんに転がっているし、キラキラと輝くものは多くて眩しいし、楽しいことで溢れかえった世界は今日も明日もその先…

缶珈琲と煙草と理由【短編】

幼い頃の記憶。祖父は、「孫との触れ合い」を超えた触れ方で、私に触れた。今でも鮮明に思い出すことができる。およそその「意味」を理解していなかった私は、祖父のするがままそれを受け入れていた。意味を理解していないながらに、「これは、家族には言ってはい…

鎮痛剤(Twitter)【詩】

しんどいつらいもういやだきらいうるさいめんどうくさいさいあくなきたいエトセトラエトセトラ 心臓付近に渦巻くモヤを吐き出したくて、スマートフォンのキーボードをフリックする。140字いっぱいに詰め込んだ悪悪とした文面は見ているだけで不快になる。け…