好奇心で生きてる

短編や書きたいことをつらつらと。

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

笑う毒【詩】

バカみたいに素直だった。私は裏切られることを知らなかった。いつも誰からにも愛されて、私は誰をも愛していた。そう思っていた。幸せだった。「現実なんてそんなものよ」って私が愛していた一人がいった。私は裏切られた。「現実」とはなにか。私が今まで幸せ…

親友【短編】

「私ね、先輩のこと本当に好きだったの。もう、私、人を好きになるのがこわい。」親友が言った。そう、大変な失恋をしたのね。「今は辛いだろうけど、いつかいい思い出になるよ」そんな、ありふれたことしか言えない私だけれど。「ありがとう。あなたが親友でよか…

希望【詩】

「笑え」と言われる。私の唇がいびつに引つることに、満足する人がいる。「泣いたところでどうとも思わない」と言われる。私はあなたに思われるために泣くわけじゃない。私は私のために笑いたいし、私のために泣きたいのに。親愛なる母親に強制されて笑うことも…

銀色のメアリー【短編】

僕が愛しているのは、僕の家にいる「人型家政婦ロボットM-19」だ。僕の3歳の誕生日から15年間、ずっと僕のそばにいてくれた。仕事で忙しい両親よりも、ずっとずっと。僕はそのロボットを「メアリー」と呼んだ。3歳のとき、よく見ていたアニメのヒロインの名前だ…

泣き喚く【詩】

ときに、‪子供のように泣き喚きたいと言う。 子供は泣き喚きたいと思って喚いているわけではないけれど。 「子供のように」と縛るより前に、今の自分自身で泣き喚いてみてほしい。 そうすれば、まだまだ子供である自分を認めることは、決して難しくないはずだ…

深夜4時、「死」について。【短編】

「死」を意識したのはいつか。はじめて両親に連れられて行った映画館で、主人公にあっけなく殺される何人もの悪役を見たときか。曾祖母が亡くなり、その遺体の鼻にティッシュペーパーが詰められていたときか。長年一緒に暮らしてきた、ペットの犬を看取ったと…