好奇心で生きてる

短編や書きたいことをつらつらと。

はじめに

短編や、日々感じたことを書きます。 主に魔女狩りを研究しています。 哲学、宗教、思想、錬金術、古代文明などをもっと勉強したい。どんなことにも好奇心旺盛です。 ミステリー小説がとても好き。 カテゴリーは「短編」「詩」「記事」で分けています。 コメント等…

トンカツLOVERS【短編】

私の目の前にいる友人は、はっきり言って変わっている。 クラスに一人はいる、『虐められたりはしないけれど、どこか浮いてる人』。そんな感じ。 そんな友人と『友人』の関係になったのは、忘れもしない、半年前のあの日ーーー。 「は……。急に呼び出したと思…

言葉の消費期限【短編】

言葉が腐るのはいつからだろう。吐き出された瞬間に、もうその言葉は崩れ落ちて、なんの意味ももたなくなるのだろうか。 「ねえ、私のこと好き?」「好きだよ」 そんなやりとりを、私はなんど繰り返すのだろう。返ってくる言葉はスタンプのようにおんなじで、画…

カラフルノート。【詩】

赤いボールペンでハートを描く。その下に、私の名前とあなたの名前を書いてみる。「結構バランスいいいんじゃない?」とか思ったりして。 青いボールペンで家を描く。間取りまでしっかり描いて、こっちは私の部屋、そっちはあなたの部屋、あっちはリビング。二…

愛された日々は思い出の彼方【短編】

「愛しているんだ」あなたがそう、言うから。私は、「ありがとう、私もよ」と返して。ふたり、幸せになれると思っていた。 ねえ、あなた、私って結局、なんだったのかしら。長年あなたと連れ添った私は、目尻にシワもできたし、昔のように肌も髪もつややかではな…

ありふれた理由を重ねて【短編】

世界は愛で満ちている。世界はキラキラ輝いている。世界は楽しいことで溢れている。 どれもこれもが正解だ。どれもこれもが正しい。愛はそこらへんに転がっているし、キラキラと輝くものは多くて眩しいし、楽しいことで溢れかえった世界は今日も明日もその先…

缶珈琲と煙草と理由【短編】

幼い頃の記憶。祖父は、「孫との触れ合い」を超えた触れ方で、私に触れた。今でも鮮明に思い出すことができる。およそその「意味」を理解していなかった私は、祖父のするがままそれを受け入れていた。意味を理解していないながらに、「これは、家族には言ってはい…

鎮痛剤(Twitter)【詩】

しんどいつらいもういやだきらいうるさいめんどうくさいさいあくなきたいエトセトラエトセトラ 心臓付近に渦巻くモヤを吐き出したくて、スマートフォンのキーボードをフリックする。140字いっぱいに詰め込んだ悪悪とした文面は見ているだけで不快になる。け…

笑う毒【詩】

バカみたいに素直だった。私は裏切られることを知らなかった。いつも誰からにも愛されて、私は誰をも愛していた。そう思っていた。幸せだった。「現実なんてそんなものよ」って私が愛していた一人がいった。私は裏切られた。「現実」とはなにか。私が今まで幸せ…

親友【短編】

「私ね、先輩のこと本当に好きだったの。もう、私、人を好きになるのがこわい。」親友が言った。そう、大変な失恋をしたのね。「今は辛いだろうけど、いつかいい思い出になるよ」そんな、ありふれたことしか言えない私だけれど。「ありがとう。あなたが親友でよか…

希望【詩】

「笑え」と言われる。私の唇がいびつに引つることに、満足する人がいる。「泣いたところでどうとも思わない」と言われる。私はあなたに思われるために泣くわけじゃない。私は私のために笑いたいし、私のために泣きたいのに。親愛なる母親に強制されて笑うことも…

銀色のメアリー【短編】

僕が愛しているのは、僕の家にいる「人型家政婦ロボットM-19」だ。僕の3歳の誕生日から15年間、ずっと僕のそばにいてくれた。仕事で忙しい両親よりも、ずっとずっと。僕はそのロボットを「メアリー」と呼んだ。3歳のとき、よく見ていたアニメのヒロインの名前だ…

泣き喚く【詩】

ときに、‪子供のように泣き喚きたいと言う。 子供は泣き喚きたいと思って喚いているわけではないけれど。 「子供のように」と縛るより前に、今の自分自身で泣き喚いてみてほしい。 そうすれば、まだまだ子供である自分を認めることは、決して難しくないはずだ…

深夜4時、「死」について。【短編】

「死」を意識したのはいつか。はじめて両親に連れられて行った映画館で、主人公にあっけなく殺される何人もの悪役を見たときか。曾祖母が亡くなり、その遺体の鼻にティッシュペーパーが詰められていたときか。長年一緒に暮らしてきた、ペットの犬を看取ったと…

嫉妬【詩】

‪ああ、また私はこれに壊される。いつも胸に湧いてくるこれに壊される。私が一番嫌いな部分。私が私たる最たる部分。ああ、ああ、私は私を肯定している。肯定している私には、私を支配するものはいらないのに。苦しい。これはまた私を苦しめながら、私を殺し…

冷たい指先から【短編】

「ごめんなさい。」と言ってみる。あなたは「もういい。」と言う。「ありがとう。」と言ってみる。あなたは「べつに。」とそっけない。「ばいばい。明日ね。」と言ってみる。あなたは「うん。」と少し寂しそうにする。 私、あなたのことがすきだったのよ。 「好き」ってな…